50回目のファーストキス(50 First Dates)

日本版リメイクを観る前にチェックしておきたい!オリジナル版『50回目のファーストキス』

カテゴリーラブコメディ
監督ピーター・シーガル
脚本ジョージ・ウィング
製作会社ハッピー・マディソン
フラワー・フィルムズ
製作国アメリカ
言語英語
公開2004年2月13日(アメリカ)
2005年6月18日(日本)
上映時間99分
製作費7500万ドル
興行収入1億9600万ドル(世界)

予告動画

要約

舞台はハワイ。水族館の獣医師であるヘンリー・ロス(アダム・サンドラー)は大学時代に浮気された経験から恋愛には本気になれず、女性とは後腐れのない関係を楽しむ主義のプレイ・ボーイだ。ある朝、ヘンリーはカフェで美しい中学校の美術教師ルーシー・ホイットモア(ドリュー・バリモア)に心惹かれる。二人は初対面で意気投合し、翌日もまたカフェで会う約束をした。

翌日、ヘンリーはウキウキしながらカフェに行き、ルーシーに話しかけるが「あなたは誰?もしかして変質者?」と怪訝な顔をされる。訳がわからないヘンリーにカフェの店主・スーは、ルーシーが一年前に交通事故にあい、短期記憶喪失障害になってしまったことを話す。事故直前までの記憶はあるのだが、事故以後の記憶は一日でリセットされるというのだ。

ルーシーの父親であるマーリン・ホイットモア(ブレイク・クラーク)と弟のダグ(ショーン・アスティン)はルーシーに記憶障害であることを気づかせないように、毎日一年前の日付の新聞を用意している。さらに、事故当日がマーリンの誕生日であったことから、毎晩のように誕生日パーティーを開き、終わった後にはマーリンとダグの二人でルーシーが描いた壁の絵を消していたのだ。

事情を知ったヘンリーだがルーシーのことを諦めきれず、毎日のように話しかける。しかし、なかなかうまくいかない。マーリンからは「もう娘に近づかないでほしい」と言われるが、それでもあの手この手を使って彼女を誘い続けた。

努力の甲斐あって、ルーシーは次第にヘンリーに心を開くようになる。家族からも認められたマーリンはさらにルーシーと距離を近づけていった。

そんなある日、アクシデントが起こる。ルーシーが正しい日付に気づいてしまったのだ。実はこれは初めてのことではなかった。マーリンは以前から用意していた事故の記事を見せ、ルーシーが記憶障害であることを話す。ショックを受けたルーシーは医師に診断してもらい、自分の病名が「ゴールドフィールド症候群」であることを知る。ルーシーは一人になって考え込むが、現実をきちんと受け止められた。

このままではルーシーは変われないと考えたヘンリーは翌朝、話題にすると約束したユリの花とビデオテープを持ってルーシーを訪ねる。ビデオテープには事故の内容とヘンリーの自己紹介、さらに周りの人からのメッセージも収められていた。ショックを受けながらも、いかに自分が愛されているのかを知って元気になるルーシー。二人の仲はさらに進展していった。

二人は毎日のようにキスを交わし、23回目のキスの時に初めてベッドインする。しかし、翌朝目が覚めたルーシーは、ヘンリーを見知らぬ男と認識し、大騒ぎしてしまう。ビデオを観ることで落ち着いたが、ヘンリーを傷つけたことに罪悪感を覚えるルーシー。そして、マーリンとの会話からヘンリーが夢だったアラスカ行きを自分のために諦めたのだと知り、別れを切り出すのだった。果たして二人はどうなってしまうのか…?

レビュー

2018年6月1日に福田雄一監督、山田孝之と長澤まさみ主演のリメイク版が日本で公開された。オリジナルが製作されたのは2004年で、もう10年以上前になるのだが、今でもリメイクされるのは本作が今もなお評価され、愛され続けていることの証だろう。

本作はラブコメディを基調にしながらも、家族愛や隣人愛も取り入れた上質な作品だ。毎朝用意される新聞や、マーリンとダグが毎晩壁の絵を消す姿からはルーシーを想う気持ちが痛いほど伝わってくる。ルーシーを毎日見守り続けるカフェの店主・スーも同様だ。

中盤、ヘンリーがルーシーのために自作したビデオを流すシーンでは、人の心の温かさに触れられて幸せな気持ちになってくる。今、人間関係に悩んでいる人やホームシックになっている人には、ぜひこの映画を観てもらいたいものだ。

舞台設定をハワイにしたのも成功の要因だ。ヒロインが記憶障害に悩まされる物語だが、ハワイのハッピーな雰囲気とあたたかい周りの愛情のおかげで重々しさはさほど感じられない。ヘンリーが獣医師ということで、何度も動物が出てくるのだが、どの動物にも愛嬌があって、ハワイの自然にマッチしていた。ヘンリーとルーシーの出会いの場所となるカフェも、いかにも女子が好きそうなおしゃれカフェで、行ってみたいという気持ちにさせてくれる。

この頃のドリュー・バリモアは、間違いなくハリウッドのラブコメの女王だった。「25年目のキス」や「2番目のキス」が有名だが、この映画も間違いなく彼女の代表作のひとつだろう。当時はキャメロン・ディアスもラブコメディ映画の常連だったが、都会的なイメージの強いキャメロン・ディアスよりも、美人でありながらもどこか親しみの持てるドリュー・バリモアの方が、ハワイの舞台にも合っていたように感じる。そういうキャスティングの妙も本作の味といえるだろう。

ストーリーの起承転結もはっきりしていて、とても観やすい映画であるのだが、ひとつ気になるのは下ネタの連発だ。コメディ、ましてやハリウッドなのだから多少のお下品ジョークは受け入れられるのだが、あまりの連発ぶりに途中でちょっと冷めてしまった。せっかくロマンティックな気分やほっこりした気持ちになれたのに、よくわからない下ネタが出てくると、気分を台無しにされたような気がするのだ。

下ネタを口にするのはほとんどヘンリーなのだが、獣医師でインテリ設定の彼がこのような描写で果たしていいのだろうか。日本の映画やドラマではちょっと見られない医師の描写が気になった。
これも英語を理解することができれば、もっと面白く感じられるのだろうか。詳しい人にぜひとも聞いてみたいものだ。

オリジナルと同様にハワイを舞台にして撮影された日本版『50回目のファーストキス』の滑り出しは上々のようだが、最終的にはどの程度の評価を得られるのかが気になるところ。オリジナル版を知らずに、日本版から入った人が、さらにこちらにも興味を持ってくれることを期待したい。公開から10年以上経った現在でも評価されるほど素晴らしい映画なのだから。

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