テッド(Ted)

キュートなルックスに合わない毒舌で話題になった『TED』

出オチ感こそが最大の魅力?

カテゴリーラブコメディ
監督セス・マクファーレン
脚本セス・マクファーレン
製作会社メディア・ライツ・キャピタル
ファジー・ドア・プロダクションズ
ブルーグラス・フィルムズ
スマート・エンターテインメント
製作国アメリカ
言語英語
公開2012年6月29日(アメリカ)
2013年1月18日(日本)
2013年7月5日(日本PG12版)
上映時間106分
製作費6500万ドル
興行収入5億ドル(世界)
42億3千万円(日本)

予告動画

要約

1985年のアメリカ・ボストンにジョン・ベネット(マーク・ウォールバーグ)という少年が暮らしていた。内気で友達もいないジョンは親友が欲しいと日ごろから強く願っていた。

ある年のクリスマスにジョンは両親からプレゼントをもらう。それは、抱きしめて胸のボタンを押すと「I LOVE YOU」と話すクマのぬいぐるみだった。ジョンはぬいぐるみをテッドと名付け、一緒に話せたらいいのにと考えながら眠りにつく。翌朝ジョンが目を覚ますと、テッドは動いて話せるぬいぐるみになっていた。珍しいぬいぐるみということからテッドはメディアからも引っ張りだこになり、一躍有名に。しかし、次第に世間から飽きられてしまい、テッドはドラッグやアルコールに走るようになる。それでもジョンとは親友のままだった。

時は流れ、2012年。ジョンはレンタカーショップで働き、恋人のロリー・コリンズ(ミラ・キュニス)と同棲をしている。もちろんテッドも一緒だ。ジョンは35歳だが、精神年齢が幼いままで毎晩のようにテッドと映画『フラッシュ・ゴードン』を観たり、マリファナを回し飲みしていたりする。結婚に進展しないのは、テッドがいるせいだと考えたロリーは考えるようになっていた。

交際記念日のデートから帰宅した際、売春婦たちとどんちゃん騒ぎをしていたテッドを見たロリーは怒りを爆発させ、ジョンに自分かテッドのどちらかを選ぶように迫る。ジョンは考えた末ロリーを選び、テッドに別居を切り出した。

家を出たテッドは、スーパーの店員に気に入られてレジ店員に採用される。同僚のタミ・リン(ジェシカ・バース)とすぐに交際を開始したテッドは、店内のバックヤードで性交するなどやりたい放題。ジョンとの仲も変わらず、テレビドラマのDVDが手に入ったからと仕事中のジョンに電話をかけて誘う始末。ジョンは嘘をついて仕事を早退し、テッドの家に行くが、サボりがロリーにばれて、叱られてしまう。

この事件をきっかけにジョンは大人の男性になることを誓い、ロリーの上司であり彼女を狙うレックス(ジョエル・マクヘイル)のパーティーに出席する。しかし、パーティーの最中にテッドから電話がかかってきて、パーティーに『フラッシュ・ゴードン』の主演俳優であるサム・J・ジョーンズが来ているのですぐに家に来るようにと言われる。ジョンは30分だけ顔を出すつもりでテッドの自宅に行くが、夢中になり時間の経過を忘れてしまう。

ついに愛想を尽かしたロリーはジョンに別れを切り出し、レックスとノラ・ジョーンズのコンサートに行く約束をする。ジョンは激しく落ち込み、テッドと生まれて初めて大喧嘩をしてしまう。

仲直りしたテッドは知り合いであるノラ・ジョーンズに頼み込み、サプライズゲストとしてジョンをステージに上げる。ジョンは歌いだすが、あまりに音痴であり、会場からはブーイングが起こる。見かねたテッドはロリーに「もうジョンとは会わないから復縁してほしい」と頼み込むが、「これは二人の問題で、修復不可能」と返される。そんなテッドを狙うドニー(ジョヴァンニ・リビシ)とロバート(エイディン・ミンクス)の親子が現れるのだった…。

 

レビュー

2012年(日本では2013年)公開当時大きな話題を呼んだ本作。かわいらしい見た目に似合わない毒舌と下品な行動が印象的なテッドは子どもから大人まで幅広い人を引き付けた。現に子どもからの注目度も高かったため、同年にはファミリー向けに編集されたPG-12版も公開されている。

ヒットを記録した本作だが、実は話の筋をあまり覚えていないという人も多い。ストーリーは単純明快なラブコメディ&友情物語でありきたりなのだ。ジョンの恋人のロリーも美人で聡明というだけで、さして魅力的なキャラ付けがされているわけではないし、ジョンとテッドの友情も、人間と毒舌なぬいぐるみという取り合わせが珍しいだけで、それ以外はよくある話だ。さらにいえば、テッドを狙う悪者親子もありがちで、解決までの流れも実にアメリカ映画的。

テッドのキャラ付けや、バックヤードでのセックスシーンなどひとつひとつのインパクトは強いのに話の筋が弱いため、本作は完全な「出オチ」映画といえるだろう。しかし、駄作かといえば決してそうではない。出オチのインパクトさえなく、忘れられていった映画は数知れないが、「テッド」は強烈なインパクトを残すことができた作品といえるだろうCG技術を駆使して生まれたテッドは、街並みや人間たちにも違和感なく馴染んでいる。さすが高度なCG技術を誇るハリウッドだ。

アルコールとマリファナ、そして女性が大好きという徹底したテッドのキャラ付けもよかった。「世界一ダメなテディベア」ではあるものの、いざというときには男らしさを見せつけるテッドはカッコいい。いつまでたっても大人になれず、ダメダメなジョンにはイライラするところもあったが、それもテッドの男らしさと対比するために必要な描写だったといえるだろう。小柄なクマでもあるにも関わらず、女性からモテモテの理由もわからなくはない。

会話のセンスも下品だがいい。ネイティブでなけれ、わからないジョークや文化も多々あるが(特に映画のくだり)、『雷兄弟』のくだりはテッドとジョンのノリだけで笑ってしまう。テッドとジョンの映画好きというキャラ付けも成功だったのではないか。冒頭、映画を使って時の流れを表現するところは、映画ファンにとってはうれしい。スター・ウォーズのコスプレをして行列に並ぶジョン&テッドがほほえましい。

これから観る人は、字幕か吹き替えのどちらを選ぶのかによって大きく感想も変わってくるだろう。字幕だと細かいジョークが理解できないのかもしれないが、映画の雰囲気はより強く伝わってくる。

吹き替えは有吉弘行が担当したことでも有名になったが、誰でもわかるようになっているので、気楽に鑑賞できる。スラングもマイルドになっているので、女性や子どもにもおすすめだ。

どうせ出オチ映画と斜に構えて観るよりも、随所に描かれた小ネタを楽しみながら観るのがこのようなエンタメ映画にはふさわしいのではないだろうか。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です