幸せになるための27のドレス(27Dresses)

華やかなファッションは100点。でも肝心のストーリーがイマイチな『幸せになるための27のドレス』

カテゴリーラブコメディ
監督アン・フレッチャー
脚本アライン・ブロッシュ・マッケンナ
配給20世紀フォックス
製作国アメリカ
言語英語
公開2008年1月18日(アメリカ)
2008年5月31日(日本)
上映時間111分
製作費3000万ドル
興行収入1億6000万ドル(世界)

予告動画

要約

社長秘書として働く主人公ジェーン(キャサリン・ハイグル)は頼まれると断れない、世話好きの性格が災いして、いつも結婚式の介添人を頼まれている。これまで27回もブライズメイドを務めていて、彼女の部屋のクローゼットは27着のドレスでいっぱいだった。

そんなジェーンは社長のジョージ(エドワード・バーンズ)に恋していて、彼のためにかいがいしく世話を焼く。しかし、ジョージにはまったく気づいてもらえずに、やきもきする毎日だった。

ジェーンは同じ日に複数の介添人を頼まれることも多く、その日もタクシー内で着替えてハードなスケジュールをこなしていた。結婚式会場で新聞記者のケヴィン・ドイル(ジェームズ・マースデン)と出会うが、堅物のジェーンと、皮肉屋で軽いケヴィンの第一印象は最悪だった。

そんなある日、ジェーンの妹であるテス(マリン・アッカーマン)がニューヨークから戻ってくる。美人ではあるが、とてつもなくわがままなテスにジェーンは子どもの頃から振り回されていた。

ある機会で、ジェーンはテスをジョージに紹介することになるが、あろうことかジョージがテスに一目惚れしてしまう。テスも要領よく嘘をついてジョージと距離を縮め、あっさりと結婚を決めてしまう。

二人の婚約を知ってショックを受けたジェーンのもとにケヴィンが取材に訪れる。一旦は断ろうとしたジェーンだが人に頼まれると断れない性格に加え、自暴自棄になっていたこともあり取材を受けることにする。

取材のためにジェーンの自宅を訪れたケヴィンは、そこでジェーンがこれまで着てきた27着のブライズメイドドレスを目にする。ジェーンはそれぞれのドレスを着てファッションショーをしながら、結婚式ごとのエピソードを披露する。

一旦は花嫁への憧れを語るジェーンを記事にしようとしたケヴィンだが、撮影するうちにジェーンに愛情を感じ始め、サンプルとして書いた記事もボツにしようとした。

ジェーンとケヴィンは急接近し、ベッドインするが、その翌日にボツにしたはずの記事がケヴィンの上司によって掲載されてしまう。それを見て激怒するジェーン。また、テスにもドレスを勝手にリメイクされ、怒り心頭に達したジェーンは、ジョージとテスの婚約パーティーでテスがついた嘘をみんなの前で暴露してしまう。裏切られたと感じたジョージは、婚約破棄をしてテスと別れる。

怒りのあまり、取り返しのつかないことをしてしまったと反省するジェーンの前にケヴィンが記事の謝罪のために訪れる。そしてジェーンに「もっと自分の好きなように生きろ」と諭して、家を後にした。

ケヴィンの言葉に触発されたジェーンは会社を退職し、ドレスも捨てて一からやり直す決心をする。ジェーンが退職することを聞いてようやくジョージは自分の本当の気持ちに気づき、ジェーンに接近するが、二人はなぜだかかみ合わない。ジェーンは自分にとって本当に必要な人はジョージではなく、ケヴィンであることに気づくのだった…。

 

レビュー

この映画の最も大きな見どころは、間違いなく女性の心をくすぐるハイセンスなファッションだろう。反対に言えば、ファッションに興味がない人にとっては、あまりおもしろくない映画に思える可能性が高い。

2006年に大ヒットを記録した「プラダを着た悪魔」のファッションチームが手掛けているだけあって、映画に出てくるファッションはどれもすばらしい。メインは何といってもジェーンが大切にしている27着のブライズメイドドレスだが、オフィスファッションやデートファッションもおしゃれで、女性ならマネしたくなるはずだ。

「プラダを着た悪魔」にはウェディングドレスがなかったため、それを見られるという点も大きなポイントだ。

しかし、ストーリーや演出に着目すれば、ラブコメの王道をひた走っているだけで、おもしろみも新しい発見も何もない。最初は相性最悪だった男女がふとしたできごとをきっかけに仲を深めるようになり…という、最近では少女漫画でもなかなかお目にかからなくなった展開だ。

一般女性に夢を与えるという意味では王道ラブコメも決して悪いものではない。しかし、ロマンティックなラブコメ映画にするのであれば、男性キャストのビジュアルをもう少し頑張ってもらいたいというのが正直な気持ちだ。

女性陣は主役のキャサリン・ハイグルや妹役のマリン・アッカーマンなど、役柄にマッチした美人をチョイスしているが、ケヴィン役のジェームズ・マースデンはヒロインを支える王子様役としていささか力不足のような気がする。ジョージ役のエドワード・バーンズも、びっくりするほどのイケメンとは思えないし…。

本作は全米で7500万ドルを超えるほどの大ヒットになったようだが、アメリカ人の感覚だとケヴィンはイケメンに映るのだろうか、気になるところである。

個人的にはジェーンとケヴィンの関係よりも、ジェーンと妹・テスの関係の方が気になったが、あまりにあっけない終わり方だったので、残念に感じた。

子どもの頃からいいとこどりをされ続けたテスに、長年片思いしていた人をあっさりと奪われ、それでもブライズメイドを務めようとするジェーンには感心を通り越して、呆れさえ感じてしまう。かわいい妹のためとはいえ、そこまでするのだろうか。

婚約パーティーをぶち壊しにしてしまうところはやりすぎだと思ったが、それをテスが意外にもあっさり許してしまう展開の甘さも気になった。子どもの頃からわがまま放題だった彼女が、あっさり許すものだろうか。反対に自身の行動を反省する描写もないので、やはり同情はできないのだが…。

また、話の都合上とはいえジョージとテスがあっさり婚約破棄してしまうのも気になった。ジェーンが暴露したテスの嘘は「インドア派なのにアウトドアが好きと言った」など、どれもたわいのない嘘なのだ。普通は、「自分のことが好きだから、合わせてくれたんだ」と喜ぶところではないだろうか。このあたりの人間関係の描き方がどうにも薄っぺらく感じた。

ファッションが素晴らしすぎるだけに、ストーリーやキャストの甘さがどうしても際立ってしまう、いささか残念な映画。見た目は華やかなのに、味はイマイチのケーキのような映画といえるだろう。それでもステキなファッションを見ているだけで満足、とにかくラブコメ映画が好き!という女性にとっては、十分に楽しめる映画といえるだろう。

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