ジュラシック・ワールド/炎の王国(Jurassic World: Fallen Kingdom)

ネームバリューとCGに頼りすぎ感が強い『ジュラシック・ワールド 炎の王国』

カテゴリーSF
監督J・A・バヨナ
脚本デレク・コノリー
コリン・トレヴォロウ
製作フランク・マーシャル
パトリック・クローリー
ベレン・アティエンサ
製作会社ユニバーサル・ピクチャーズ
アンブリン・エンターテインメント
ザ・ケネディ/マーシャル・カンパニー
レジェンダリー・ピクチャーズ
パーフェクト・ワールド・ピクチャーズ
言語英語
公開2018年6月22日(アメリカ)
2018年7月13日(日本)
上映時間128分
製作国アメリカ
製作費1億7000万ドル
興行収入13億ドル(世界)
4億1600万ドル(アメリカ)
7200万ドル(日本)

予告動画

要約

ジュラシック・ワールド事件から3年後のイスラ・ヌブラル島では、野放しになった恐竜たちが自由に生きていた。しかし、島内のシボ山が噴火したことをきっかけに火山活動が活発化する。恐竜たちは存亡の危機にさらされていた。

ある晩、ヌブラル島に潜水艦とヘリコプターがやってきた。潜水艦のクルーはモササウルスに襲われそうになりながらも、ジュラシック・ワールド事件の最大の原因となったインドミナスレックスの骨を拾って持ち帰る。

時を同じくして、アメリカ合衆国連邦議会ではヌブラル島の恐竜たちを火山から避難させるか否かでもめていた。イアン・マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)は行き過ぎた人類のテクノロジーをとがめ、恐竜たちを放置させるべきだと主張する。マルコム博士の意見は認められ、恐竜たちは自然の成り行きに任せることになった。

議会の決定をテレビで見たジュラシック・ワールドの経営者、クレア・ディアリング(ブライス・ダラス・ハワード)はその内容に納得できず、恐竜たちを島から救い出そうと考える。ロックウッド財団に連絡し、設立者のベンジャミン・ロックウッド(ジェームズ・クロムウェル)との面会を希望した。

ベンジャミンはジュラシック・ワールド計画からはすでに手を引いていて、唯一の家族である孫娘のメイシー(イザベラ・サーモン)と静かに暮らしていた。

現在の財団の経営者であるイーライ・ミルズ(レイス・スポール)の話を聞いたクレアは、11種類の恐竜しか救い出せないことを知る。その中でも最も人間の言うことを聞くと言われているブルーを助けるために、クレアは元恋人でありブルーをよく知るオーウェン・グレイディ(クリス・プラット)のもとを訪れる。

嫌がるオーウェンを説得したクレアは、フランクリン・ウェブ(ジャスティス・スミス)やジア・ロドリゲス(ダニエラ・ピエダ)らとともにヌブラル島へ出発した。島にはすでにロックウッド財団が派遣した傭兵たちがベースキャンプを張り、恐竜保護に向けて動いていた。

フランクリンがシステムを復興させたことでオーウェンはブルーと再会できたが、いきなりブルーは麻酔銃を撃たれてしまう。撃ったのは傭兵のリーダーであるケン・ウィートリー(テッド・レヴィン)だ。彼らの真の目的は恐竜の保護ではなく、人間たちに売りさばくことだった。火山の噴火はいよいよ激しくなり、オーウェンやクレアは死にゆく恐竜たちを目にする。

そのころ、ロックウッド邸でグンナー・エヴァーソル(トビー・ジョーンズ)とミルズ(レが話をしていた。ミルズは恐竜たちを金持ちに売りさばくだけではなく、それでもうけた金でさらなる大きなプロジェクトを考えていると話す。その話をたまたまメイシーは聞いてしまった。

火山から命からがら逃げだしたクレアとオーウェン、フランクリンは船のタラップに乗り込み、島から脱出しようとするがフランクリンが傭兵に見つかり、ロックウッド邸に連れていかれてしまう。クレアとオーウェンはトラックの運転席に乗り込み、フランクリンを追うがウィートリーに見つかり、ロックウッドの地下牢に閉じ込められる。

メイシーは邸宅内で殺されていたベンジャミンを発見し、悲しむ。そんなベンジャミンが手にしていたのはメイシーそっくりな女性の写真だった。メイシーは自分がクローンであることに気づく。

エヴァ―ソル司会のもと、恐竜のオークションが始まった。さまざまな恐竜たちが億単位で次々と買われていく。そんな中、牢屋を脱出したクレアとオーウェンはメイシーを保護する。

そしてオークション会場には最大の目玉とされる「インドラプトル」が登場する。高い知能と戦闘能力を持つインドラプトルはまだ試作品段階だったが、高値がつくという理由で無理やり出品されたものだった。それを見たクレアとオーウェンは…。

レビュー

大好評を博した「ジュラシック・ワールド」から3年後の設定ということで公開された本作品。相変わらずド迫力な恐竜たちの姿やCG技術は健在で、娯楽として楽しむには申し分ないのだが、その分どうしても脚本や演出方法が気になった。

とにもかくにも、脚本のあらがやたらに目立つ。今回のメインである恐竜のオークションは、そもそもの設定に無理がある気がしてならない。恐竜が兵器になったとしても、購入後どうやって飼育するのか考えているのだろうか。それが気になってしまって、億単位で購入する金持ちらの気持ちがさっぱりわからなかった。

また、クレアにしても恐竜を救って一体どうしたかったのか疑問が残る。前回あれだけひどい目に遭い、恐竜の恐ろしさは誰よりもわかっている彼女なのだ。その彼女が、火山の噴火という、自然の成り行きで絶滅しようとしている恐竜を救いたいと思う気持ちが全く分からない。一時的な思い入れや感情に任せて、オーウェンを振り回しているようで、ついついオーウェンに同情してしまう。

一番理解できなかったのが、自分がクローンだからという理由で恐竜たちを解放してしまったメアリーだ。メアリーの行動を無理やり正当化するような描写をしているが、実際のところかなり苦しい。

恐竜が放たれたらとんでもないことになるのは目に見えているのに、なぜこのような描写にしたのだろうか。「純粋な子どものやることは正しい」と訴えているように見えて、どうにも安っぽいのだ。

このように理解できないポイントが多すぎて、登場人物の誰にも感情移入できない。見どころはオークション会場で巨大な檻に閉じ込められた恐竜たちの姿と、オーウェンとブルーの絆くらいのものではないだろうか。

逃げることしかできなかったり、私利私欲に走っていたりする無力な人間とは対照的に、やはりブルーはとてもかっこいい。その姿が見られただけで、まあまあ満足できたともいえる。

それにしても何度も人間を襲っているのに、それでも恐竜たちを保護しようとするストーリーはそろそろ限界に思える。この辺で終わりにしてもいいと思うのだが、今作のラストを見るとまだまだ新作が制作される雰囲気たっぷりだ。

ジュラシックワールドシリーズは家族で楽しめるエンタメ映画であることは承知しているが、旧作はもっとストーリーも綿密に練り込まれていたはずだ。次作をつくるのであれば、もう少し時間をかけて、じっくりとストーリーを練ってもらいたい。

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