ワンダー 君は太陽(Wonder)

『ワンダー 君は太陽』は名言の宝庫!ジュリア・ロバーツの円熟した演技は必見

カテゴリードラマ
監督スティーブン・チョボスキー
脚本ジャック・ソーン
スティーヴン・コンラッド
製作デヴィッド・ホバーマン
トッド・リーバーマン
製作会社ライオンズゲート
マンデヴィル・フィルムズ(英語版)
パーティシパント・メディア
ウォールデン・メディア
TIKフィルムズ
言語英語
公開2017年11月17日(アメリカ)
2018年6月15日(日本)
上映時間113分
製作国アメリカ
製作費2000万ドル
興行収入3億500万ドル(世界)
1億3200万ドル(アメリカ)

予告動画

要約

オギーの章:オーガスト・プルマン(ジェイコブ・トレンブレイ)は、オギーと呼ばれる10歳の少年。トリーチャーコリンズ症候群によって顔が変形しているオギーは、これまでに何度も手術を受けてきた。顔の手術跡は残ったままだが、容態が落ち着いてきたことからオギーの母親・イザベル(ジュリア・ロバーツ)と父親・ネート(オーウェン・ウィルソン)はオギーを学校に通わせることを決める。それまではイザベルがオギーに勉強を教えていた。

これまで宇宙飛行士のヘルメットをかぶっていたオギーだが、登校するにあたって素顔をさらすことになった。校長のトゥシュマン(マンディ・パテインキン)はとても優しい先生で、ジュリアン(ブライス・ガイザー)、ジャック・ウィル(ノア・ジュプ)、シャーロット(エル・マッキノン)に校内を案内させる。ジャックとシャーロットはオギーに優しく接するが、ジュリアンはオギーの顔をからかった。

オギーの登校が始まるが、クラスメイトはオギーの顔を不気味に思い、距離を置く。ひとりぼっちで昼食をとっていたオギーだったが、ある日理科の授業をきっかけにジャックと親しくなり、毎日遊ぶようになる。しかしハロウィンの日、仮装していたオギーはジャックがジュリアンやその仲間らと悪口を言っているのを聞いてしまう。深く傷ついたオギーはジャックを避け、再びひとりで過ごすようになる。

オリヴィアの章:オギーの姉・オリヴィア(=ヴィア)(イザベラ・ヴィドヴィッチ)は、家族がオギーにつきっきりで自分に目を向けていないことに対して、寂しさを抱いていた。そんなオリヴィアが慕っていた家族は祖母だけだったが、その祖母も亡くなった。

高校生になって、初めて登校したオリヴィアは親友のミランダ(ダニエル・ローズ・ラッセル)を見かけて声をかけるが、彼女はそっけない。落ち込んでいたヴィアはたまたま演劇部の前を通り、ジャスティン(ナジ・ジーター)という少年と出会う、演劇部に勧誘されたヴィアは、部員にミランダがいたことで気まずさを感じていたものの、ジャスティンのフォローもあって次第に演劇に熱中していった。

ミランダの章:ヴィアと幼稚園の頃から親友だったミランダだが、ハンディキャップのある弟がいても仲のいいプルマン家をうらやましく思っていた。ミランダの両親が離婚することになり、ヴィアに対して引け目を感じるようになった彼女は、ヴィアと距離を置いていたのだ。

しかし、ヴィアがジャスティンと付き合いだしたことを知ったミランダは、思い切ってプルマン家に電話をかける。電話に出たのはオギーだった。懐かしいオギーとの会話に癒やされたミランダは、ヴィアと仲直りすることを決める。演劇部の発表会当日、ミランダは仮病を使ってヴィアに主役の座を譲った。

ジャックの章:あんなに仲の良かったオギーが急によそよそしくなったことに、不思議がるジャック。そんなジャックに、黒人女生徒のサマー(ミリー・デイヴィス)がヒントを与える。ハロウィンの日、ジュリアンたちに言ったオギーの悪口を思い出したジャックは、自由研究の時間にオギーとペアを組ませてもらえるように先生に頼み込む。

ジュリアンには「あんな奴とペアになるのか」と挑発され、ジャックは殴り掛かる。その様子を見ていたオギーはジャックを再び信頼し、オンラインゲームを通じて仲直りをする。自由研究発表でオギーとジャックのペアは最優秀賞を受賞した。
しかし、ジュリアンのオギーへのいじめは止まることがなく…。

レビュー

ジュリア・ロバーツが「善き母親」を演じた映画と言えば「エリン・ブロコビッチ」が真っ先に思いうかぶ。人生がけっぷちに追い詰められたエリンが優れた頭脳を活かして、大逆転する展開は非常に爽快だった。この作品でジュリア・ロバーツはアカデミー最優秀主演女優賞を受賞している。

そんな彼女は、今作でもエリンに負けないくらい魅力的な母親・イザベルを演じているが、エリンよりも控えめで、陰で子どもたちを支える母親に徹しているのだ。50歳を超えて、落ち着いた雰囲気を備えた今のジュリア・ロバーツだからこそ演じられたのだろう。

オギーやヴィアなど、子ども達の世界がメインとなっている本作では決して出番は多くないが、きちんと存在感を残している。オギーの初登校時にイザベルが口にした「顔は人の心を映す地図で、心はその人の未来を示す地図」という言葉は、本作の名言のひとつだ。

他にも本作にはたくさんの名言がたくさん出てくる。2012年の大ベストセラーを記録した小説が原作となっているのだから、当然と言えば当然なのかもしれない。特に印象に残っているのは、ヴィアがオギーに言った「いつも自分のことばかり言われていると思わないで」という言葉だ。オギーは生まれて以来、その容貌ゆえに噂の的になってしまうことが多かった。そんなオギーの境遇は哀れなのかもしれない。

しかし、だからといって自分が特別な存在だと思い込むのは大きな間違い。その思い込みがオギーを孤独に追いやってしまっているのだろう。そのことに気づかされた一言だった。

オギーがジュリアンたちからいじめられるシーンは本当に見ていて胸が痛くなるのだが、ヴィア、ミランダ、ジャックとさまざまな子ども達からの視点のストーリー構成になっているので幾分見やすかった。オギーが主役で、病気を持っているからといって決してオギーだけが特別ではない。他の子どもも同じように悩みや苦しみを抱えているということを教えてくれるのだ。

しかし、異端者を露骨に排除するところや、本音ではないものの周りに合わせてついつい友達の悪口を言ってしまうところなど、日本もアメリカも子どもの世界は変わらないんだなあと感じる。長期休暇明けに、これまで親しかった友達がなぜかよそよそしくなってしまうヴィアとミランダの関係も、思春期の女子学生あるあるだ。

映画は章ごとに分かれているので、長時間の映画が苦手な人でも少しずつ見られるし、とてもわかりやすい構成なので、映画を見慣れていない人にもおすすめしたい。最初は敵だった登場人物が、少しずつオギーの魅力に気づいて改心していく姿は見ていて爽快感を覚える。学生であればオギーやヴィアなどの学生に共感できるし、大人であればイザベルら大人に感情移入して鑑賞できる。家族一緒に見るときの映画としてもおすすめだ。

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