シュガー・ラッシュ(Wreck-It Ralph)

アカデミー賞は受賞ならず!でもやっぱり『シュガー・ラッシュ』シリーズはおもしろい

カテゴリーアニメーション
監督リッチ・ムーア
脚本フィル・ジョンストン
ジェニファー・リー
製作クラーク・スペンサー
製作会社ウォルト・ディズニー・アニメーション・スタジオ
言語英語
公開2012年11月2日(アメリカ)
2013年3月23日(日本)
上映時間101分
製作国アメリカ
製作費1億6500万ドル
興行収入4億7100万ドル

予告動画

要約

舞台は2012年のゲームセンター。営業時間中は来店客のプレイヤーを楽しませているゲームのキャラクターたちは、閉店後は「ゲーム・セントラル・ステーション」からゲームの世界へとアクセスし、他のゲームキャラクターたちと交流を深めていた。アーケードゲームのひとつ「フィックス・イット・フェリックス」の悪役を務める大男・ラルフは役柄上、誰からも好かれずにひとりぼっちの日々を送っていた。

そんな「フィックス・イット・フェリックス」は稼働30周年を迎える。悪役セラピーに参加するも、満足する回答が得られなかったラルフはゲームの周年記念パーティーにも呼ばれていなかったことを知り、思い切って会場に乗り込む。しかし、やはり歓迎されず、ヒーローのメダルももらえなかった。頭にきたラルフは自分もヒーローになれると宣言し、ゲームキャラクターのひとりであるジーンと賭けをする。

シューティングゲームに参加したラルフはなんとかメダルを獲得し、これで最上階の部屋に住めると喜ぶ。しかし、うっかり敵であるサイ・バグの卵を踏みつぶして幼虫を孵化させてしまったため、お菓子の国のレースゲーム「シュガー・ラッシュ」の世界に迷い込む。その世界にいる9歳の少女ヴァネロペはラルフからメダルを奪い、レースの参加登録料に使われてしまう。メダルを取り返すにはヴァネロペに協力して優勝を目指すしかないと考えたラルフは、彼女と一緒にレースカーを作ったり、練習をしたりするようになる。ラルフがヴァネロペの抱える孤独を知ったことから、二人は交流を深めていく。

その頃「フィックス・イット・フェリックス」では悪役のラルフがいなくなったことで、ゲーム機が撤去されそうになっていた。焦ったフェリックスと「ヒーローズ・デューティ」のヒーローであるカルホーン軍曹は「シュガー・ラッシュ」の世界へと向かった。

いよいよレースが始まろうというときに、「シュガー・ラッシュ」のキャンディ大王がラルフの前に現れる。キャンディ大王はヴァネロペに欠陥がありレースに参加できないこと、不具合が発生すると「シュガー・ラッシュ」のゲーム機自体が撤去されてしまうことを伝える。キャンディ大王はメダルをラルフに返却し、ヴァネロペが仲間外れにされている理由を直接彼女に伝えて欲しいといわれる。しかし、メダルを手にしたラルフを見たヴァネロペは、彼が裏切ったと勘違いし、口論になる。興奮のあまり、ラルフはレースカーを壊してしまった。

ヴァネロペと一緒にいられなくなったラルフは「フィックス・イット・フェリックス」の世界に戻ってきた。しかし、共演者はみんな逃げ出してしまい、ラルフは最上階の部屋でひとり途方に暮れる。ヴァネロペを心配したラルフは、「シュガー・ラッシュ」の世界へ戻ることにする。

そこでラルフはサワー・ビルから真実を聞き出す。キャンディ大王が言ったヴァネロペの情報はすべてウソで、彼女の記憶はすべてキャンディ大王が抜き取っていたというのだ。ラルフはヴァネロペを救うために、牢屋からフェリックスを助け出し、レースカーを修理してもらう。そしてヴァネロペをキャンディ大王から取り戻し、和解するのだった。レースにのぞむラルフとヴァネロペはどうなってしまうのか…。

レビュー

2018年冬に最新作の『シュガーラッシュ・オンライン』が公開され、話題を呼んでいる。新作には『アナと雪の女王』のエルサやシンデレラ、白雪姫などディズニープリンセスがたくさん登場しているようなので、人気が出るのも納得だ。しかし、記念すべき第一作目となった『シュガー・ラッシュ』も大変おもしろいので、ぜひ鑑賞しておくことをおすすめする。ゲームの世界観はこちらを見ておくことで、より理解が深まるはずだ。

ストーリーはいたってシンプルで、悪役だが心優しいラルフとキュートなヴァネロペの掛け合いがとても楽しい。ヴァネロペのわがままに振り回されながらも付き合うラルフはまるで父親のようだ。「孤独なもの同士が心を通わせる」ストーリーはありがちといえばありがちだが、ゲームという新しい世界を舞台にしたことで、新鮮な気持ちで見ることができた。

ヴァネロペはディズニー映画初のユダヤ人ヒロインということで、公開当時は描き方の問題を指摘されていたようだが、他のディズニーヒロインに負けないくらい愛らしくて満足だ。

また、3Dアニメーションということで、画面がとっても華やかなところも見ていて楽しめる要因だ。レースゲームというハードな世界の設定なのに、車にコーティングされているのはキャンディやチョコレートといったポップなお菓子で、そのギャップがおもしろい。アーケードゲームというと、今ではすっかり家庭用ゲーム機やスマホのソーシャルゲームに押されている印象があるが、長い歴史の中で、さまざまな進化を遂げてきたことを勉強できてよかった。

アニメとゲームは、今でも子どもを中心とした人々を魅了させるエンターテイメントであるが、ふたつを一緒に取り扱った作品がこれまでのディズニー映画にはほとんど見られなかった。エンターテイメント同士だからこそ、あえて一緒にはしなかったのかもしれない。しかし、『シュガー・ラッシュ』で取り上げられたことでディズニー映画の可能性はもっともっと広がったように思える。これからはディズニー映画がどのような題材を取り上げていくのか、非常に楽しみだ。

良い映画であることは間違いないのだが、残念ながら『シュガー・ラッシュ』も、先日ノミネートされた『シュガーラッシュ・オンライン』でも、アカデミー長編アニメ映画賞は受賞を逃した。リッチ・ムーア監督はこれまでさまざまなキャリアを積んでいるのだし、そろそろ受賞してもおかしくはないと思うのだが、エンターテイメント要素が強すぎるのだろうか。

『シュガーラッシュ・オンライン』の興行成績は上々のようだし、パート3の続編も期待できそうだ。そのときこそ、もっとラルフとヴァネロペを活躍させて、ぜひアカデミー賞を受賞してほしいとシュガー・ラッシュファンのひとりとして願っている。

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