味噌汁の具としておなじみのあさり。
ミネラル豊富でおいしいけど、
調理につい二の足を踏んでしまうのが下準備の手間だ。
せっかく時間をかけて砂抜きしたのに、
口に入れた途端砂が「ジャリッ」なんて
本当にテンションが下がる。
巷では砂抜きの裏技として
味の素の使用がささやかれているが、
果たして真偽のほどは…?
あさりの砂抜きに味の素…なぜ?
では味の素を使ったあさりの砂抜きのやり方を紹介しよう。
1.海水程度の濃度(3%)の食塩水を作る。(水500mlに対し塩大さじ1)
2.あさりを重ならないように
(上のあさりが吐き出した砂を下のあさりが吸わないように)
並べた容器に食塩水を注ぐ。
半身浴させる(あさりの頭が少し出る)くらい。
3.味の素を適量加える(ぱらっとでいい)。
4.蓋をする。
(暗くするため新聞紙などをかけておく。
アルミホイルでもいいが密閉しないように。
塩水が飛び散るのも防げる)
5.冷暗所(薄暗い場所)に2~3時間放置。
(冬はそのまま室内に、夏は冷蔵庫へ。
寒すぎると冬眠状態になるので注意)
6.真水であさり同士をこすり合わせるように洗い、
ヌメリ、汚れなどを取る。
※ざるにあげてしばらく放置しておくとさらに旨味アップ。
普通の砂抜きのやり方とほぼ変わらないが、
味の素を加えることによってあさりの動きが活発になり、
しっかり砂抜きできるというわけだ。
なぜあさりがそんな反応をするのか
科学的には証明されていないが、
味の素に含まれる豊富な栄養素を求めて
あさりが活動的になるのでは?と推測されている。
また、砂抜きの際ブドウ糖を加えると
旨味成分が増す、という研究結果も出ており、(水産総合研究センターより)
味の面でも効果的。
(※味の素の原料はさとうきび)
理由はどうあれ、調理以外にも使える味の素って便利。
余談だが、時短の裏技としてお湯を使う方法がある(50度洗い)。
これなら数分程度で砂抜きが出来るが、
貝にストレスを与えてしまうのでプロは推奨していない。
ダシが抜けてしまうのだ。
また、一度熱を加えると傷みやすくなるので、
どうしても、という時はすぐに調理するようにしよう。
あさりを砂抜きしても開かない場合は?
あさりの砂抜きで困るのがどうしても口を開かないヤツ。
奴が口を割らないのは何か理由がある筈だ。
それぞれの対処の仕方も合わせて記す。
・食塩水の塩分濃度が薄い
→少し塩を足そう。
・明るい。そして騒がしい。
→臆病なあさりをリラックスさせるため、
薄暗くて静かな場所へ移動してやろう。
・水温が低い
→水は常温(20度くらい)のものを。
と、ここまでしてやってもやっぱり開いてくれないヤツもいる。
加熱調理しても口は閉じたままだ。
こういうヤツは調理の前から死んでいたあさりなので
もったいないけど捨ててしまおう。
子供の頃、
閉じた貝の口を無理にこじ開けて食べたことがあるが、
これはやめた方がいい。
死んだ貝には腐敗菌が増殖していて毒がある。
おまけにこの毒は加熱しても消えないのだ。
自分は運よく食中毒にはならなかったが…。
まとめ
ポイントは必ず食塩水を使うこと。真水では効果がない。
そしてあさりがのびのび出来る環境を作ってやること。
スーパーで「砂抜き済」と書いてあるものでも、
軽く済ましてあるだけで案外砂が残っていたりする。
他にも唐辛子や蜂蜜を使った砂抜きの方法があるので、
いろいろな物で実験してみると面白そうだ。
(あさりの負担になるのでやり過ぎは良くないが)
最後に。
その日に使わないあさりは冷蔵庫に入れておいて、
一日一回塩水を入れ替えてやろう。
(汚れた塩水だとあさりが死んでしまうことがある)
日持ちしないので2日くらいを目安に使い切ろう。