首折り男のための協奏曲と聞いてどんなことを思い浮かべるだろうか。
この首折り男のための協奏曲は2016年11月28日に文庫版が発売された、伊坂幸太郎の短編集である。
この七つの短編はまさに、伊坂ワールド全開という話が詰まっている。
またこの短編集は新潮文庫のStory Sellerというアンソロジーにも収録されている。
今回は首折り男のための協奏曲の考察、大藪の死因など、少しネタバレを含みつつ、紹介したい。
首折り男のための協奏曲を考察…ネタバレも
結論から言うと、この作品はまさにこの七つの短編はまさに、伊坂らしさが一つ一つの話に詰まっていた。
個人的には「合コンの話」が好きだ。
まさに合コンによくあるセリフばかりで、とても共感が持てたからだ。
後は、個人的に黒澤が好きなキャラクターの一人だ。
ここで、この伊坂幸太郎の短編集『首折り男のための協奏曲』の考察とネタバレ、あらすじなどを紹介したい。
この短編集は、
1. 首折り男の周辺
2. 濡れ衣の話
3. 僕の船
4. 人間らしく
5. 月曜日から逃げろ
6. 相談役の話
7. 合コンの話
の7編からなる。
今回はその7編から3つの話のあらすじを紹介したい。
・濡れ衣の話
三年前、丸岡直樹は息子を交通事故で亡くしている。
そしてある日突然丸岡は自分の息子をはねた女に再会する。
ところが、この女は全く反省していないようだった。
そして丸岡はそれに腹を立て、女を刺殺してしまう。
そこに刑事が現れたが、実際は刑事ではなく、大藪という名の、通称、首折り男だった。
大藪は自分が女を、首を折って殺したことに見立てて、丸岡を助けるのだった。
・僕の船
もうすぐ70歳を迎える絵美が、思い出の男(田口)が今何をしているのかを調べてほしいと黒澤に依頼する話。
絵美はこの田口と若い時に駄菓子屋メーカーの事務員をしていた頃、
銀座で知り合っており4日間だけだったが2時間デートしたことがあった。
出会いのきっかけは、田口が若い二人組の男に殴られていたところ絵美が助けたことがきっかけで知り合った。
・合コンの話
銀座での男3人、女3人の合コンの話だ。
誕生日にかかわらず恋人と過ごせなかった男一人目、男二人目は一人目の男の友人の代理人、
男三人目は見知らぬ男。
女一人目は経営者、女二人目は女優、女三人目は一人目男の元カノ。
合コンが終わった後、駅に向かう道で、
銀座の裏通りで再開した知人の俳優が首を折られたことによって殺害されたことがわかった。
男三人目が、自分が犯人だと冗談を言い、場が盛り上がった。
事件の後、男一人目がピアノを弾き、みんなはその演奏に酔いしれた。
そんな男一人目はその後恋人から別れを切り出された。
首折り男のための協奏曲、大藪の死因は?
さて、首折り男のための協奏曲の第1話、首折り男の周辺で大藪の死因はなんだったのか。
・首折り男の周辺
ある日、若林絵美が、首を折られて殺されるという残虐な「首折り事件」のニュースを見ていたところ、
絵美はこの犯人の特徴が隣に住んでいる人にそっくりだと思った。
夫は気にするなと絵美に言ったが、反対に絵美はこの事件に興味を持ちはじめるのであった。
若林絵美は首折りの犯人が近所に住んでいた小笠原稔だと思っていた。
実際の首折り男は大藪という男だった。
大藪と小笠原はとても似た体格をしていた。
また幽霊を信じる信じないで同級生からのいじめにあっていた中学生に、
大藪は一週間後のいじめられる日に見守ってあげることを約束する。
最終的に大藪は謎の突然死をするが、自分が推察するに、
この大藪の謎の死は次の短編集につながっていく鍵であるだろう。
さてこの首折り男の周辺の話の世間での評判はどうだろうか?
・首折り男が色々と事件を繰り広げていく話だと思ったら違う話だった。
・大藪を中心とした時空のねじれが面白い作品だった。
・先に大藪が死んでしまったら、この後の6編はどうなるのか・・・。
とこのような感想が多い。
首折り男のための協奏曲を考察!大藪の死因などネタバレを紹介 まとめ
首折り男のための協奏曲は、伊坂作品を読んだことのない人にもオススメしたい文庫本である。
大藪の死の原因などはそれぞれの推察があると思うが、すべての話が時空を超えてどこかにつながってくる、
非常に面白い短編集と言えるだろう。
自分もこの首折り男の協奏曲で伊坂作品がもっと好きになったので、
他の伊坂作品もじっくり読んでみたいと思う。