お彼岸の煮しめ!お彼岸のご馳走で人気なのは…

日常

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お彼岸に食べるものと言えば

 

ぼたもち、おはぎ

(春は「牡丹餅」秋は「御萩」。季節の花に由来する)

が思い浮かぶが、料理に欠かせないのが煮しめだ。

 

日常の菜として馴染み深いが、

お彼岸に出す時はちょっとした決まりがある

 

 

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お彼岸に煮しめ!美味しく食べるには?

 

 

お彼岸に食べるものは精進料理

というしきたりがある。

 

本格的に作ろうとすると

細かい決まりごとがあって大変なので

厳密に守る必要はないが、最低限のルールが2つある。

 

・肉類・魚介類を使わない

精進料理では肉、魚など

動物性の肉は一切使わない。

 

これは仏教の不殺の教えから来るものである。

 

動物も人間同様命を授けられているのだから、

天が与えた命を食のために奪ってはならない

天寿を全うさせなければいけない、という教えである。

 

卵や乳製品もNGだが

地域によって扱いが異なり、基準は曖昧だ。

 

精進料理では

タンパク質は基本的に大豆製品で補っている。

使える食材は野菜・穀類・豆類・海藻などに限られる。

 

 

・匂いが強い食材を使わない

五葷と呼ばれる匂いの強い食材

(にんにく、ネギ、ニラ、たまねぎ※、らっきょう)

も忌避されている。

 

※アサツキという説もある。

 

これは大勢が集う場で

あまりに強い臭いをさせていると

修業の妨げになること、

 

これらを食べると精力がつく

(煩悩を刺激する)

とされていることが原因である。

 

以上の決まりから、

煮しめによく使われる鶏肉は無論使えないし、

煮干しや鰹節などの魚介類からだしをとることも出来ない

 

だが昆布や干し椎茸からでも

十分美味しいだしが作れるしこんにゃくと

野菜だけの素っ気ない料理にも美味しい食べ方はある。

 

〇精進だしの作り方

 

・材料

水       カップ3

干し椎茸      3枚

だし昆布(5cm角)  1枚

 

・作り方

1. 干し椎茸は水できれいに洗って汚れを落とす。

 昆布は拭き取って汚れを落とす。

 

2. 干し椎茸に分量の水を入れ1時間以上放置して戻す。

 

3. 2に昆布を入れて中火にかけ、

    煮立つ寸前に昆布を取り出す

 

4. そこから弱火にして1~2分煮てから火を止める。

 

5. 4を布巾などでこして完成。

 

出来上がっただしは

様々な精進料理のベースとして使える。

使った干し椎茸も煮しめに利用出来て、無駄がない。

 

〇煮しめの作り方(2人分)

 

・材料

れんこん  100g

ごぼう    50g

にんじん   50g

 

干し椎茸   3枚(精進だしで使ったもの)

こんにゃく  40g

きぬさや   4枚

 

酒      大さじ3

みりん     大さじ3

しょうゆ   大さじ2

 

精進だし  2カップ分

酢、塩、ごま油

 

・作り方

1. こんにゃくは食べやすい大きさにちぎって下茹でしておく。

 

2. れんこん、ごぼうは一口大の乱切りにして酢水にさらしておく。 

 にんじんも同じくらいの大きさに乱切り、

   干し椎茸は4等分に切っておく。

 

3. きぬさやはへたと筋を取って塩茹でにし、

  斜め半分に切っておく。

 

4. 鍋にごま油を入れて熱し、

    きぬさや以外の材料を炒める。

 

5. 材料に油がまわったらだしと

    調味料を入れて煮立たせる。

 

6. アクをとり、弱火にして

   煮汁の量が1/3くらいになるまで煮る

 味を見ながらしょうゆ、塩を足し、火を止める。

 

7. 器に盛りつけ、きぬさやを添える。

 

動物性の食材を使わないと

どうしても淡白な味になってしまうが、

煮る前に一度ごま油で炒めることで

味にコクが出るし、煮崩れも防げる

 

調味料を少しずつ加えて味付けすることで、

食材に味が馴染みやすい。

 

美味しく出来るレシピのポイント:

 

・具材の大きさをそろえる。

  →具材を切るときに大きさをそろえると火の通りが均一になり、

   味もちょうどいい具合に染みる。

 

・アクを丁寧に取り除く

  →アクはえぐみや渋味の元

   きれいに取り除けばすっきりした風味に仕上がる。

 

・落し蓋を使う

  →落し蓋を使うと具材をムラなくしっかり煮込める。

        煮崩れ防止にもなる。

 

・火加減に注意する

  →最終的な料理の出来を左右するのが火加減。

   中火、弱火の調節は指示通りきっちり行う。

 

お彼岸のご馳走で人気なのは

 

 

精進揚げはお彼岸のご馳走の中でも人気が高い。

要は野菜の天麩羅だが、

季節の食材を使うとぐんと華やかさが増す。

 

春には山菜、菜の花、秋には茄子やきのこを。

薄めの衣で揚げてやる。

 

また、そばやうどん、寿司

赤飯などのメニューも定番である。

 

そばやうどんは

「暑さ寒さも彼岸まで」と言われるように

 

季節の変わり目の時期でもあるお彼岸に

消化の良い麺類を食べることで

弱った胃を癒すという意味がある。

 

上に乗せる具にも肉や魚は使わない

 

油揚げを乗せても良し、

野菜をたっぷり加えてボリュームを出しても良し、

精進揚げを乗せれば天麩羅そば・うどんになる。

 

「彼岸そば・彼岸うどん」と呼ぶところもある。

 

寿司は「おもてなし」の意味が強いが、

精進料理だけでは

育ち盛りの子供や男性がいる家庭では

やはり物足りないだろう。

 

よく出されるのは稲荷ずしちらし寿司など。

旬の食材を使った炊き込みご飯も喜ばれる。

 

赤飯に使われる小豆には

魔除けの力があるとされている。

 

ぼたもち・おはぎ

お彼岸に供えられるのも

この理由によるものだ。

 

まとめ

 

 

「彼岸」は仏教でいう悟りの世界のことだ。

 

お彼岸にご先祖様を供養

感謝を捧げる(善行を積む)ことで、

 

この世(「此岸」)に生きる者が

少しでも彼岸(極楽浄土)へ近づけるように

という願いが込められている。

 

そして”善行を積む”ことを

”修業をする”、ともいう。

 

故に修行僧が食べる精進料理を

この期間に食べる、という風習が生まれたのだ。

 

普段は作らない精進料理を丁寧に作ることが

心の修業にもつながる

 

シンプルな味付けながら

工夫が凝らされた料理には、

連綿と続く人々の思いが伝えられているのだ。

 

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